泣き虫
私は泣き虫でした・・・よく泣いていました。中学生くらいまでは本当に。
なんか悲しくなるんですよね。責められているかのような感覚になるというか・・・
医者になってからは、研修医の時に怒られてICUのトイレにこもって泣いたのが最後でしょうか。
もう流す涙がなくなったのか、冷徹になってしまったのか・・・今は干上がっています。
ちなみに、次男のシュンシュンに「よく泣いている人は誰?」と聞くと「のび太」とのこと。
「なんで泣いているのだろう?」と聞くと「ジャイアンに殴られたから」と薄っぺらい答え笑。
私は泣き虫な人物として源義経を連想します。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で菅田将暉さんが好演していたのですが、源頼朝に初めて出会った
黄瀬川の陣で懐かしさに涙を流したり、屋島の戦いで忠臣の佐藤継信が身代わりとなって討死をした時、
京から鎌倉へ戻る際に面会を許されず腰越状に「空しく涙に暮れています」と記載していたり、吾妻鏡や
平家物語に記載があります。そのほかにも、兄頼朝からの追悼令を受けて都落ちしたり、弁慶の勧進帳、
恩人藤原秀衡の死、後継者泰衡の裏切り、弁慶の立ち往生など様々な場面で涙を流したかもしれません。
泣くという行動は、異性もしくは同性のテストステロンレベルの低下を介し、攻撃性を減退させます。
原因は不明ですが、涙の本来の意味は眼球異物や感染症から守ることで、感情の高まりで涙を流す
のは人類だけのようです。
ソーベルらの研究によると、悲しい映画を見せて集めた女性の涙を、男に嗅がせると食塩水に比べて
有意に血中のテストステロンレベルを下げました。同時に画像上被験者の攻撃性と性的興奮も下げて
しまうことが予想されました。よって別れ話の際に女性が涙を流しても良い結果にはならないのです。
男の涙は、もっと複雑で、社会的に指導的立場にある人物が公衆の面前で涙を流すことは、同情心と
同時に軽蔑と不信感を招く可能性があります。国会でも落涙した議員が与野党に責められて代表選挙に
敗れた事件もありました。義経の場合は、自意識過剰と街宣時の勝手な任官授受、兄への甘えなど
人間的に未熟な部分がありお子様だったこともあったのでしょうか。ヒーローは簡単に涙を流せません。