漢方という医学
西洋医学と漢方、江戸時代で言えば蘭学と漢方のように西洋医学と相対する存在として
位置づけられることが多かったと思います。漢方医学は中国から伝来した伝統医学を
おおもととして、日本の風土に合うように、創意工夫がなされて進化してきました。
現在の漢方は、中国の伝統医学とは一線を画したものであり、日本独自のものなのです。
西洋医学を基本とする日本の現代医療においても、近年は漢方の特性を踏まえてとり入れられる
ことも多くなっています。私の大学の同級生の総合診療科Drも、漢方の達人です。
漢方は、医師の五感をフル活用した診察で、患者さんの状態を「証(しょう)」で見極めて、
漢方を処方します。その際に、
①陰・陽:陽は新陳代謝がはげしい状態 病気の反応が体に激しく出る
②虚・実:実は体力があり、病気に対する抵抗力が強い、元気な状態。
③気・血・水:3つのバランスが崩れることで症状が起こるとされている。
上の3つの要素を見極めて処方内容が変わるとのことです。私は漢方専門医でないので
上記のすべての症状を見極めて漢方を処方するわけではありませんが、症状によって処方します。
漢方薬は生薬をミックスされて作られておりますが、一般に構成する生薬の種類が少ない方が
即効性があり、生薬の種類が多いほど穏やかに作用するとされております。
漢方だから副作用ないよね?という患者さんもおられますが、あります!!!
漢方薬の7割以上に含まれる甘草(かんぞう)は、血圧上昇やむくみなどの出現する低カリウム血症
をきたすことがあります。高齢者の方には特に注意して処方しております。
基本は漢方薬は食前または食間に服用していただくことが多いです。
胃酸や腸内細菌の影響を受けやすい漢方は、空腹時の方が効果を得られやすいのです。
ただし、飲み忘れたら、食後でも構いません。ご参考までに・・・