炭水化物との付き合い方
最近のダイエットでは「炭水化物制限」もしくは「糖質制限」が定番ではないでしょうか?
タイトな糖質制限を試みる方もいらっしゃると思います。お米やパンや麺類を食べないように
するというダイエット試したことがある方もいるでしょう。炭水化物つまり糖質の制限は、
肥満予防、メタボ、脂質異常症、糖尿病治療にも有効であるというデータはあります。
最近では、がんの予防や治療にも低炭水化物食がいいのではないかという議論もなされています。
2022年に発表された45歳から74歳までの日本人9万人を対象とした炭水化物摂取量とその後
17年間の観察期間中のがんの発症率との関係を調べたところ、全摂取カロリーのうち炭水化物の
割合が少ないグループではがん全体のリスクが8%上昇していました。つまり炭水化物を取らない
食事を継続すればがんのリスクが増える可能性があります。じゃあどれくらい炭水化物を摂れば?
と疑問に思いませんか。Lancetという一流雑誌に2018年に報告された論文によると総エネルギー
に占める炭水化物の割合が50〜55%の時が最も死亡リスクが低いのです。日本人を対象とした
研究においても2021年に発表された研究で炭水化物を程々に摂取している人が一番長生きする
ということがわかりました。炭水化物は糖質と食物繊維から成っていて、糖質は制限したほうが
良いのですが、食物繊維はしっかりと摂る必要があるのです。糖質を控えるために、動物性の
食品を摂り過ぎると、がんや心血管の病気を増やすこと繋がります。したがって、炭水化物を極端に
制限するとがんが増えるリスクがあります。糖質制限によって体重を落とせても、極端な糖質制限で
がんになっては元もこもありません。ほどほどが一番健康にいいのですね〜