異常であればすぐ受診!
健診の心電図検査で特に注意が必要なのは不整脈でしょう。不整脈はバリエーションが多く、
全部を書くことはできませんが、注意すべき不整脈と対処方法について紹介しますね。
1。心室性期外収縮
心臓が不規則なタイミングで収縮してしまい、脈が飛ぶようなタイプの不整脈です。このタイプの
期外収縮が、心電図を測った短期間の中でも数回出現している場合があります。1日中見られると
するのならば、結構な数の不整脈になります。不整脈の数が1000発以上であれば、突然死のリスクが
約2倍に増加すると言われています。1万発以上になると20%の方が心機能が低下するとされています。
2。心房細動
心臓に存在する4つの部屋のうち左心房と言われる部屋から不規則な心臓のリズムが発生する病気です。
動悸の症状が出ることもありますが、結構慣れてしまうこともあります。心房細動の恐ろしさは、
心臓内に血栓ができやすくなって、この血栓が脳の血管に飛んでしまうことで脳梗塞につながる
こともあります。そうです。野球の長嶋茂雄さんがこの不整脈ゆえに脳梗塞になったとされています。
この不整脈は心臓に負荷がかかり続けるために心機能が低下して心不全を引き起こす可能性もあります。
3。Brugada(ブルガダ)症候群
若年層に突然死を起こす可能性の高い不整脈として知られています。40〜50代の働き盛りの方が命を
落とすケースも多くて、本人、家族、周囲の方に大きな影響を与えてしまいます。
1000人に1人程度の発生率と言われていますが、結構頻度は高めに感じます。
4。伝導障害(ブロック)
心臓の電気信号の流れが悪くなり、心臓の動きが悪くなってしまう病気です。専門的には房室ブロックや
脚ブロックなど様々な症例があります。治療が必要か経過観察で良いか判断が必要になるので、
ぜひ、ご相談ください。
不整脈の対処方法は、まずは精密検査を受けてみることだと思います。
当院ではHolter(ホルター)心電図を胸に貼って日常生活を送っていただくことでどんな種類の
不整脈が起きているのかを明らかにしています。治療が必要なケースであれば、高次医療機関へ
ご紹介いたします。健診で新たな不整脈が出た際は必ず受診した方が良いと思います。
年齢を重ねて新たな不整脈が出現することもあり、特に注意が必要ですね。