2025.11.22

病は気から!?

単なるビタミン剤なのに、「よく効く薬だなぁ」と思って飲み続けていたら本当に病気が

改善してしまったという話を耳にしたことはありませんか?これはプラセボ(偽薬)効果

と呼ばれるもので、「気持ちの問題」あるいは「病は気から」というモノです。でも、なんで?

実際に効果が得られるのかは謎でした。米国の研究者は過去の20種類の試験に対する603名

の被験者から得た脳画像からプラセボ効果に関する研究のみを選択し再分析すると、痛みの

情報処理に関する島皮質という領域(痛みを感じた時に活性化する領域)だけ割合が減少し、

気のせいではなく、脳が痛みを感じにくく変化したことで、痛みが発生するのが抑制できたと

考えられました。プラセボ効果は与える方法や個人の考え方に大きく左右されるモノです。

「病は気から」というのはあり得ないように思えますが、「気」は実際に脳に影響を与えている

ことがわかりました。「心頭滅却すれば・・・」もあながち根性論ではないのです。

プラセボ効果は「気持ちの強さ」だけの問題ではなく、脳が生物学的に自らを守り再起する力、

つまり、困難に直面しても「くじけない脳」となる可能性を備えていることを示しているのです。