目の上に黄色の盛り上がりが…
これは、今年1月にもブログで紹介したモナリザにもみられる眼瞼黄色腫というやつです。
コレステロールが体の外に出てきてしまったということですね。健診でコレステロールが・・・と
心配されて来院いただくことが非常に多いのですが、皆さん、今一度コレステロールについて
考えてみましょう。よく、善玉とか悪玉とか聞きませんか?善玉はコレステロールはHDLで、
悪玉コレステロールはLDLで、これらはコレステロールそのものではなく、コレステロールを
載せる運び屋さんつまりトラックのような存在なのです。血中のLDLが高いほど、また、HDLが
低いほど動脈硬化が進みやすいと言われています。腸管から吸収された食物の栄養素は肝臓に運ばれた
後に、全身にトラックで配送されます。このコレステロールを多く積んでいるトラックほど動脈硬化
を起こしやすく、これがLDLの働きとされます。LDLは動脈の中に入り込みやすく、動脈硬化を
起こそうとします。一方、コレステロールなどの荷物を肝臓に持ち帰る働きをするトラックが、
HDLです。いわばHDLはゴミ収集車のような働きなのです。
食べ物から吸収された脂肪は、大雑把にコレステロールと中性脂肪に分けられて、肝臓に運ばれた
脂肪はコレステロールと中性脂肪に仕分けされて、体内に配分されるのです。コレステロールが
全て悪ではなく、組織やホルモンの原料に、中性脂肪はエネルギーになるのです。ただし、余って
しまうとコレステロールは体のどこかに沈着し、中性脂肪はお腹などの脂肪組織として蓄えられる
のです。沈着する場所が、どこかと言っても・・・代表的な場所はご存知の通り血管(動脈)です。
特に動脈の内面にコレステロールが沈着した状態を粥状硬化と言います。黄色っぽいお粥のような
ドロドロした脂肪が血管壁にこびりつき、やがてゴリゴリに硬くなって岩のように動脈の内側を
塞いでしまうのです。黄色腫というのは動脈にこびりつくようなコレステロールが顔面に沈着して
しまった状態で、黄色腫が見られるということは、その人の動脈にはもちろんコレステロールが
沈着していると考えて良いのです。もちろん血液検査ではLDLコレステロールが高値となっている
ことも予想されます。食事からのアプローチも可能です!是非ご相談ください。一度血管年齢と
頸動脈エコーを受けてみてはいかがでしょうか!