2025.10.13

睡眠時無呼吸症候群をあなどるな

治療中の皆さん、そんなこと私に限って心配ないわ・・・とおっしゃる皆さん!

一度は検査を受けてみることをお勧めします。以前の経験があり、私は申しております。

ある60代の女性の方でした。他院に通院されていたのですが、通院に困るので当院に

転医を希望されたのです。その方は数年前からCPAP治療を開始継続されていていました。

特にデータ上も支障無く継続されており、使い方も上手だなと思っていました。

本人も、睡眠中のいびきを指摘されなくなり、熟睡できて途中覚醒もほとんどなくて

快適に眠ることができていて、CPAP治療に満足されているとのことでした。

睡眠中のデータを見ると無呼吸(AI)の回数も少なかったので、特に改善点もなく治療を

継続していました。ところが、その方が脳出血を起こしてしまったのです。

CPAPで治療していて効果も良好であり、何も支障ないと思われたのに・・・動脈瘤が

あればそのリスクはもちろん高くて危機を察知できたかもしれません。ですが、データを

検討すると、恐らくその方は一晩の無呼吸回数は少なかったものの、それぞれの無呼吸の

時間が長かったのではないかと思うのです。1回ごとの無呼吸が長い患者さんは珍しく

ありません。機械で押し出す圧を少し強めにして呼吸を助けるだけで解決可能です。

この方の、脳出血と睡眠中の酸欠状態との因果関係は科学的には明らかではありません。

ですが、現在のようにCPAP装着中の詳細データを見ることができれば、長い無呼吸の

データを見て詳しい検査を行いますし、危険性があれば専門医へ紹介することができました。

つけて安心ではなくて、治療中であることをご理解いただきながら月に1回は外来で振り返って

いただくのが当院の睡眠時無呼吸症候群に対する考えなのです。だからいえます。決して

あなどってはいけない病気なのです。ご心配であればご相談くださいね。