糖尿病の薬をやめた!?

以前、「医療機関で糖尿病の治療を受けている患者さんのうち、多くの方が通院を自己中断した経験が
ある」というニュースが話題になったことがあります。当院通院中の患者さんはた、た、多分そんな
ことはないと思います(汗)。でも、私の指導がきつくて(嫌気がさして)他院に移って行った方は
おられます。若ければ若いほど糖尿病の合併症に悩まされる前に早期にコントロールをつけたい思いが
あったと思います。当院には糖尿病認定看護師さんと療養指導士が在籍していますので、相談は圧倒的に
受けやすい体制をとっています。はっきり言って手厚い方だと自負しています。通院する場がどこで
あっても、患者さんがよくなればいいのですが・・・話を戻すと、糖尿病治療を中断する原因として、
いくつかの原因が指摘されています。
・糖尿病という病気に自覚症状がない。
・血糖値が良くなったのだからもういいでしょうという考え。
・血糖値が下がりすぎてしまうのが怖い(フラフラするのは低血糖のせいではないか)。
・高齢で放っておいてほしい 通院も面倒。
・治療継続の意義が感じられない。
※血糖値は血液中に含まれる当分の値のこと。低血糖はその値が必要以上に低いこと。
糖尿病という病気は「血液中の糖分が多い状態が慢性的に続いてしまった結果、動脈硬化を引き起こし、
合併症によって、様々な症状になやんでしまう」という病気なので、患者さん自身が内服や治療の意義を
感じられず、面倒になって自己中断に繋がってしまうこともあるかもしれません。
しかも、明らかな症状が現われない限り見た目ではわからないので、血液検査をしないとわかりません。
高い血糖値が続いている場合は、気づかぬ間に体の中で徐々にダメージが溜っている可能性があります。
定期的に血液検査をするためにも、自分の血糖に合わせた糖尿病治療薬を処方されるためにも、面倒でも
通院する必要性があるのです。一度出されたらずっ~~~~と続くわけではありません。その時も血糖の
状態を見て判断しながら治療を継続していきます。我々が処方するお薬は良い意味でも悪い意味でも、
効果が強いので、その分副作用も強く出てしまう可能性もあります。ですから、冒頭のように勝手に
自己判断でお薬を中断するということは、お薬を開始する時と同じくらい危険が伴います。つまり、
命を張ってまでお薬をやめる必要性はないのではないかと思うのです。皆さんいかがですか?