聴診器では何の音を聞いているの?
「先生、本当に聞いているのですか?」と失礼?素直なことをおっしゃる患者さんもいます。
聴診器は体内の音を聞くために使用されます。心臓、肺、腸などの音を聞いているのです。
つまり、聴診だけで病気があることに気づくこともあります。さらにいうと、聴診することで
検査が必要かどうかを判断することも可能です。検査は当院レベルでは、血液検査、レントゲン
CT、心電図ということになりますが、大きな病院であれば、予約を取ってさらにコストもかかる
ことが考えられます。長身は患者さんの状態をその場で把握できること、診察以外の検査費用が
かからないことが利点であると思います。
例えば、「全然咳が止まらないのです」と来院された方の聴診で、呼気時(息を吐く時)に
特徴的な鳥が鳴いているような高音(笛性音)を聴取します。また、肺炎の患者さんであれば
ゴロゴロという水泡音や、初期の段階を過ぎればプツプツ、パチパチといった、マジックテープを
剥がすような音を聴取します。また、治療中であれば経時的な変化をリアルタイムに評価可能です。
聴診の結果、検査が必要と判断したら検査に繋げて総合的に判断します。
患者さんによっては聴診の際に医師との距離が近くなることで、嫌な思いをするかもしれません。
また、プライベートゾーンに触れるので嫌だなと不安になる方もおられると思います。
おそらく、イケメンDrであれば不愉快な思いをせずに済むかもしれませんね。
ちなみに、学校検診で服を脱ぐ脱がない問題があります。私としては、個人の見解ですよ。
全く脱がなくて良いと思います。服の上からの聴診だと服が擦れる音がするというDrもいるのですが、
そもそもじっとして動かないので擦れるも何も・・・と思います。また、直に聴診器を当てられて
アルコール消毒をするが故に、アルコールで皮膚がかぶれる心配もあります。
私自身、綺麗な聴診器であればいいのですが、何と無く不衛生な感じがしてならないのです。
特に年頃の女子は脱ぎたくないじゃないですか。私も少年時代ポッチャリしていて、
正直脱ぎたくありませんでした。だから肌着の上からでも十分に聴診できるのでOKとしています。
ただし、虐待ケースや皮膚疾患の発見のためなどの目的のために皮膚観察は必要であると思います。