肥満の予防には水!?
糖尿病の治療のキホンは、糖分の摂取を控えることです。糖分と言っても甘~いものだけとは限り
ません。ご飯、パン、麺類、イモや果物に含まれる炭水化物つまり糖質ということです。このような
食べ物の誘惑はいたるところにあるので、現代社会では内臓に脂肪がついてしまうメタボリック
シンドロームや肥満、糖尿病の予防は簡単ではないのです。
ですが、最近の研究では水を飲むと脳から出るバゾプレシンというホルモンを調整することが、
糖尿病や肥満の予防・治療につながる可能性があることが分かったのです。モデルさんや女優、
意識高い系女子が水を〇リットル飲んで体型を保っていると聞いたことがありますが、まさに、
彼女たちはこの働きを論文が出る前から利用していたのです!スゴイ!!!
バゾプレシンは抗利尿ホルモンとも呼ばれ、腎臓に働いて尿で出されるはずの水分を再吸収し、尿量
を減らして適度な水分量を維持する働きがあります。バゾプレシンが分泌されない(尿崩症)
と薄い尿がたくさん出てしまい脱水状態になってしまうのです。丁度お酒を飲んでいると、
アルコールが脳に作用してバゾプレシンの分泌が下がり、軽症の尿崩症になっているという報告
もあります。以前から肥満の人や糖尿病患者では体内のバゾプレシンの値が高値であることが
知られていました。バゾプレシンが出さないようにすれば、肥満や糖尿病の治療や予防になると
考えられますが、身体が水分を十分に維持できればバソプレシンの助けを借りなくても良いので、
単純に水を飲めばよいのです。マウスの実験ですが、十分に水を補給する水治療法を試すと、
メタボリックシンドロームから効果的にマウスを保護できたのです。砂糖とくに果糖の摂取が
バゾプレシンを活性化させて、体内の水分を貯蔵させるために脂肪の生成を促進させるのです。
水分が再吸収するために脱水状態は進み、その状態のバゾプレシンをさらに活性化させます。
バゾプレシンは血管を収縮させて血圧も上昇させるので、メタボへまっしぐらな状態とも言えます。
スウェーデンで行われた31人に行われた研究では飲水量を0.43Lから1.35Lに増加させるだけで
血糖値が下がり、バゾプレシンが低値になることが分かりました。十分な水分摂取はバゾプレシンを
抑制し、肥満やメタボリックシンドロームの予防と治療の両方に効果的である可能性が高いのです。
まさに「渇きは肥満をつくる」ということですね。