胸や背中に痛みが続く時には、心筋梗塞や大動脈解離などの重篤な疾患が隠れている可能性が

あります。でも、年齢で全ては片付けられませんが、40代半ば以降の方が多いような印象です。

20〜30代の方も同様の悩みで来られますが、心電図、胸部レントゲン、心臓エコー、血液検査

ではほとんど異常は認めないことが多いのです。当院から救急搬送される方々は、

ほぼほぼ、心臓の病気で緊急のカテーテル治療が必要な場合が多いです。心臓、食道、肺にも

異常がない場合は肋間神経痛の可能性があります。肋間神経痛は、肋骨に沿って背中から

胸の前方に少しずつ下がりつつ分布していて、肋骨に沿って片側あるいは両側に痛む場合や

変則の1点だけチクチク痛むこともあります。狭心痛のように胸が締め付けられるような症状も

よくありますが、肋間神経痛は筋肉や関節の痛みが体を動かす時とは異なり、じっとしている時に

シンシンと痛む傾向にあります。

神経の再生を促すビタミンB12と神経障害性疼痛治療薬のプレガバリンやミロガバリン内服で

痛みが改善することも経験します。心配であればご相談ください。