腎機能の指標といえば・・・
皆さんもすこやか健診や一般の外来で血液検査をした際に、医師に「肝臓は・・・
貧血は・・・コレステロールは・・・そして腎臓は・・・」と説明を受けたことがあると
思います。この腎臓の説明の時に必ず出てくるのが血清クレアチニン濃度の数値なのです。
腎機能は、血清クレアチニンの数値や年齢、性別をもとに、子宮体の推定濾過量を示す
eGFRを計算することで判断できます。でもこのクレアチニンというものが何者か?なぜ
腎機能を見る際の指標として使われるのかについて詳しく説明される機会はほぼないのでは?
今日は良い機会なので覚えていただこう(覚えなくてもいいですよ)と思います。
クレアチニンとは、筋肉が働く際の代謝の副産物です。いわば、筋肉の代謝によって出る
ゴミのようなものなのです。この物質は肝臓で作られて、筋肉に取り込まれて、筋肉の収縮に
使われるのです。ちなみに血液中のクレアチニン濃度は、筋肉量によって左右されるので、
基準値に男用と女用が存在します。ではこの筋肉のゴミのようなものがなぜ、腎機能の指標に
なるのかということですが、通常クレアチニンは腎臓の糸球体の働きによってほぼ濾過されて
しまい、体内にはほとんど残りません。ですが、糸球体の働きが悪ければ腎臓の濾過する力が
弱くなるので血液中や尿中に含まれるクレアチニン量が増えてしまうのです。クレアチニンは
筋肉のクレアチニン総量に比例します。そのためクレアチニンの尿中排泄量は、成人では体重あたり
ほぼ一定で、食事や尿量などにほとんど影響されないので、腎機能をある程度正確に判断できると
言われています。ですが、過度な運動や肉食がメインの食事、水分摂取不足などにより悪化する
ことがあるのです。そのため、当院いりたに内科かかりつけクリニックでは血清シスタチンCを
測定いたします。全身の細胞から一定の割合で生じるタンパク質の一種です。このシスタチンCは
クレアチニンと異なり、筋肉量や性別、年齢などの影響を受けにくい特徴があり、腎機能が軽度に
低下した状態でも血中濃度の変化が他の指標よりも鋭敏に現れるとされています。
腎機能障害がある程度進行してしまうと正確な判断が困難になる場合があります。一度はご相談
してみてください。