2024.08.01
腎臓にやさしい食事
「健診で腎臓が悪いって言われたんですが・・・」と相談に来院される方は
以前より多い印象です。なぜでしょうか?ご自身なりにどう頑張れが良いのか
わかりにくいからでしょう。塩分を控えるようと言われて、薄味にしたのですが、
家族に美味しくないと言われるんですぅ〜ということにもなりやすいのです。
そこで、腎臓にやさしい食事のPointは
①タンパク質や食塩を摂りすぎないこと。
②普段の生活の活動に合わせた適正なエネルギー摂取を行うこと。です。
以前にもお話ししたサルコペニア(筋肉量の減少に伴い身体機能が低下している状態)、
フレイル(身体的な虚弱で要介護一歩手前)状態であればタンパク質の摂取制限の
緩和も検討されます。エネルギー摂取量が減らない程度の無理のない食塩摂取量を目標
とすることもあり、野菜や果物も以前は悪のように捉えられていましたが、カリウムの
値に注意しながら摂取量を増やした方が良い場合もあります。
いわゆる慢性腎臓病(CKD)の場合、GFRの数値が改善することはありません。
食事療法も含めた治療でGFR値がさらに低下させないことが目標となるのです。
GFRが低下しやすい患者さんの特徴として、尿蛋白が陽性の患者さんがGFRの低下
速度が速いことが報告されており、尿蛋白量が多いほどその傾向が強いことも明らかです。
我々は、尿蛋白量を減らすこと=腎臓を守ることと考えて日々診療しております。
尿検査をとるのもこのためだとご理解ください。
ちなみにGFR値が10以下になると透析も含めた腎代替療法の検討が必要になるとされます。