2025.08.12

腫瘍マーカーの信頼性

人間ドックでは時として”フルコース”で受けてきました。と話される方も多いです。これが当たり前

のようになっている感も否めません。受け手側つまりドックを受ける側に洗濯の余地が与えられる場合

は少ないのです。正直医学の素人であれば、どれを受けてどれを受けまいかの取捨選択は超難しいと

思うのです。

例えば、今日の話題の腫瘍マーカー。血液検査をするだけで特定の顔が存在する時に、マーカーが

上昇します。そのマーカーを定期的に測定していれば、早期のがんの発見に役立つ検査であると、

謳い文句はそのように語られます。これを聞くと「受けておかないと損」のように聞こえるかも

しれません。実は我々からするとそうでもない一面があるのです。

大きな理由としては、Aの癌の時にAのマーカーが上がるという単純なものではないのです。例えば、

肺がんの腫瘍マーカーであるCEA。確かに肺がんで上昇します。ですが、喫煙者、糖尿病、様々な

ケースでも上昇することがわかっているのです。つまりこの検査で陽性でした!となって、精密検査

を受けても、がん以外のケースで上昇している”空振り”のケースもあるのです。人間ドックを実施する

医療機関にとっては儲けになるのですが、受け手にはメリットが少なく、体に侵襲的な検査を受けた

場合はダメージが残ってしまう可能性もあります。

私が有効性を期待してお勧めする腫瘍マーカーはPSA(前立腺がんのマーカー)です。実は、前立腺がん

の進行の遅さがあり、すぐに治療せず、PSAが高かったとしてもその数値を一旦”監視”していく方法に

なることもあります。死体解剖時に、死の原因とは直接関係がないもののたまたま見つかった癌のことを

ラテントがんと呼びます。前立腺がんはラテントがんとして発見されることが多く、80歳以上のご遺体

のなかで約60%にラテントがんの存在が確認されたとするデータもあります。

前立腺がんは遺伝の要素もあるので、家族に罹患者がいる場合は特に組み込んだ方が良いと思います。