2024.04.20

膀胱の風邪ひき

本日にで泌尿器科的な話題が3日目となります。私は泌尿器科医ではありません。

実際内科の診療をしていると、泌尿器科の受診をお薦めして感謝されることも多くあります。

ですが、診察する機会が非常に多い、「膀胱の風邪ひき」と言われるくらい、女性にとって

比較的ありふれた病気である膀胱炎を話題にします。多くの女性は生涯に一度はかかります。

しかも、1年に数回、または数年ごとに繰り返しかかる女性も少なくありません。

膀胱炎という病気は、大腸菌などの細菌が尿道から膀胱に入って、膀胱粘膜に感染し、炎症を

起こすものです。3大兆候と呼ばれるものは、頻尿・排尿時痛・尿混濁です。

頻尿と排尿時痛はお分かりになると思いますが、尿混濁は、尿を顕微鏡で見ると細菌とそれを

やっつけた白血球が多数認められます。治療は抗菌薬を数日間服用するだけで大部分の人は簡単に

治ってしまいます。

一方の男性は、膀胱炎にかかることはまずありません。もしなった場合は要注意です。

時に膀胱炎や膀胱結石などの重大な病気が合併している場合があるのです。

じゃあ予防法は?と聞かれますが、これをやったら大丈夫という方法はありません。

一般的に、日疲労や体の冷え、排尿の我慢に注意すると良いとされております。

米国の泌尿器科医は、

①排尿をあまり我慢しないで、大体3時間ごとの排尿を心がける

②排便後は閘門周囲を丁寧に前から後ろに拭いて、トイレットペーパーを2度拭きしない としています。

やはり肛門周囲の細菌を膣方向に移動させないことが予防になるというわけです。

18世紀まではヨーロッパの女性はノーパンティでしたが、19世紀になりパンティを履くようになってから

排尿後ぬれたままではパンティが汚れるので紙で拭くようになったのです。

尿動口、膣口、肛門の位置関係がわかっていればトイレットペーパーでの拭き方が理解できますよね。