薬を飲んでも胃痛や胸焼けがする
異常の認められない胃の機能失調が増えています。私は消化器を専門にしていたわけでは無いので詳しくは無いのが実情です。でも、一般医家として必要最低限度の知識は備えているつもりです。私が外科医をしていた時は、専門医を取得するために心臓血管、消化器、呼吸器、乳腺・内分泌、小児外科、救急など〇〇外科とつくものは経験しなくてはいけなく、手術の経験症例をまとめて提出したのです。ですが、ほぼ心臓血管外科一本槍だった私は、症例経験も試験も相当苦労しました。その時に消化器外科のお勉強を学生時代よりも励みました。その時の経験が役に立つのかどうかはわかりませんが(笑)、胃痛や胸焼けなどの自覚症状はあるのに、原因となる炎症などは見受けられない。そんな状態を機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)と呼びます。これまでは、このような症状は慢性胃炎やストレス性胃炎と診断されていたはずです。ですが、近年、内視鏡検査の機材や技術の発達により、異常の認められない機能性失調が報告されるようになったのです。そうした症状を機能性ディスペプシアと診断するようになりました。機能性ディスペプシアの原因は、ストレスや不規則な生活などがきっかけで胃腸の働きが低下していることとされています。具体的には、消化がうまくできなかったり(消化不良)、腸へ押し出す力が弱くなったり、腸の内側の感覚が過敏になること(感覚過敏)などです。この病気は、40代以前の若い世代に多く見受けられます。ストレスや食べ過ぎ、不規則な食生活、喫煙、アルコールの過剰摂取などが引き金となる場合もあります。機能性ディスペプシアの原因のうち約4割がピロリ菌の感染が関係していると言われています。ピロリ菌は胃腸の中で色々な悪さをする細菌のことです。有効な治療方法としては胃腸に内服薬の処方が挙げられます。話を伺って以前までは当院でも処方していたのですが、保険診療をする際に査定されてしまい処方することができなくなりました。ぜひこの病気を疑った場合は、胃カメラができるクリニック、病院への受診をお勧めしております。胃腸薬が効果がないとなれば、抗うつ薬などの精神面へのアプローチを検討することもあります。また、生活習慣指導や食事療法も行われているようです。