血圧の薬問題 ③血圧の薬いつまで飲む?編
血圧は一般的に歳をとるにつれて上昇することがわかっています。
上の血圧(収縮期血圧)としたの血圧(拡張期血圧)から平均血圧を求めるのですが、
(上の血圧ー下の血圧)を3で割ったものに下の血圧を足したものが平均血圧なのです。
決して上としたの血圧を足して2でわるものではないのです。
動脈を1本の木とするならば太い幹が大動脈で、枝葉に相当するのが末梢血管となります。
若い時から加齢とともに動脈硬化が少しずつ起きています。さらに中年以降は木の幹に
相当する大動脈も効果していくので、収縮期血圧(上の血圧)も平均血圧も自然と高くなります。
加齢に伴う血圧上昇も正常範囲内であれば問題視しません。75歳以上であれば140台でOK、
支障がなければ130台を目指すといったような感じです。それ以前の方であれば私は130台でOK
と考えております。高血圧治療ガイドラインに照らし合わせば若干甘めかもしれません。
問題なのは、ある年齢で高血圧になった場合、そのまま放置すれば血圧は年々上昇し続けて
病的な動脈硬化を引き起こし、脳卒中や心筋梗塞になってしまいます。なるべく避けたいですよね。
また、心臓や腎臓にも高い血圧がかかり続けるので心不全や腎不全の原因となり、在宅酸素療法、
場合によっては血液透析に頼らざる終えない可能性も出てきます。
血圧の薬を内服する状況はメガネをかけ始める状況と似ています。視力の低下が原因となりメガネを
つけ始め、メガネをかけ続ければ普通の生活を続けられます。ですが、突然メガネを外せば視力の悪い
状況に戻り事故につながるリスクが高くなるのです。血圧と降圧剤の関係に似ていると思いませんか?
私の外来では、一度開始した降圧剤が不要になるケースもあります。高血圧の原因が生活習慣にあって
禁煙やダイエット、運動不足を解消する生活習慣の改善が功を奏して場合や、退職や転職でストレスから
解放された直後から血圧が正常化します。私が普段言うのは、自宅での血圧を測定して欲しいことです。
朝起きて排尿後に測定することと、寝る前にもう一度といった形で測定する習慣をつけて欲しいのです。
本当に高血圧かどうかは家庭血圧で判断しています。だって、クリニックで測ると大体8割の人は
血圧が高くなるのですから・・・・血圧を測定してから悩みましょう!
医者は内服を中断させないように患者さんに口うるさく、死ぬまで内服しないとダメだ!といっていた
この忠告が「血圧の薬は内服するとやめられなくなるので飲まないほうがいい」と勘違いされたのでは
ないかと思います。やめられる方もいます。その方の生活習慣次第なのです。