血圧何回はかればいいの?
みなさん、春はもう少しです。寒い日、暖かい日を繰り返し確実にやって来ます。三寒四温と昔の人は言いましたがまさにその通りですね。さて今日の話題は血圧。血圧は、心拍出量✖️末梢血管抵抗という式で表されます。心拍出量は、1回心拍出量と心拍数、末梢血管抵抗は血管の総面積と動脈壁の弾性、血液の粘性(ドロドロ具合)によって規定されます。血圧はその人が置かれている精神状態や体調、呼吸状態、姿勢、環境要因など多くの因子の影響を受けるために常に変動します。そのため、血圧は正しい方法による複数回の測定が必要なのです。きちんとした血圧測定の仕方は、「高血圧管理・治療ガイドライン2025」において、①腕に巻くカフの中心を心臓の高さに合わせて、安静坐位の状態で測定いただきます。寒い室温で測ると血圧が高くなるので適温の室内で測定することをお勧めしています。椅子に座って測定することをお勧めしますが、背もたれのある椅子に座ってリラックスいただきます。測定前のカフェイン摂取、運動、喫煙は避けてください。できれば座ってから1分待って測ります。足を組まずに両足を床につけたり、手首で測定するタイプの物よりも腕で測定する方がより正確です。また、②1〜2分後に間隔をおいて複数回測定し、安定した値を示した2回の平均値を血圧値とすること、と記載されているのです。最近は少なくなりましたが、カフと腕の間に入れて測定する聴診法でも自動血圧測定器であっても最高値と最低値を同時に測定しているのではなく、複数心拍において最も高い血圧値を収縮期血圧(最高値)、最も低い血圧値を拡張期血圧(最低値)と算出しています。聴診法では、被測定患者が不整脈を有する場合は、収縮期血圧の過大評価と拡張期血圧の過小評価をもたらすことが知られています。自動血圧計は各社でどんなアルゴリズムがあるのかは不明ですが、測定方法、動脈硬化の程度、心臓の調律などが設定のアルゴリズムと異なった場合は誤差が生じるとされます。ここからが本題、よく外来で尋ねられるのですが、何回測ったら良いのか?2025年のガイドライン改訂時に、家庭血圧測定時の注意事項として「特別な場合を除き、1機会に4回以上の測定は推奨しない」との文言が追記されています。つまりガイドラインからも「複数回血圧測定を行なって、最も低い値のみを結果として残す」ことは望ましくないと考えられます。健康診断の場面で多くの受診者がいて、時間を要する正しい測定方法を全員に徹底することは現実的に難しい面があるかもしれません。ですが、その際にとんでもなく高い血圧であれば、「ある程度安定した血圧」の記録をした方が良いと思います。その際には、一旦休憩するとか、他の検査を先に実施するなど、時間をおいて再測定することも有効なのです。