親離れ、子離れ、肉離れ
先日、スーパーで「お母さんなんて知らない!」と泣いている少年がいました。どうせ
お菓子とかをねだって母親に突っぱねられたのだろうと聞いていると、「秋刀魚なんて今旬じゃないよ」
とお母さんが言うのです。なんと、気合の入った少年なのだろう!粋な男だなぁと思っていると、
旬じゃない上に冷凍の秋刀魚でもなかなか値が張っているのです。我が家は妻の実家が根室市にある
ので結婚してから購入したことはありません。シーズンになると結構、秋刀魚が続きます。
焼きたての秋刀魚に、大根おろしをたっぷりとつけていただく、秋の味覚の絶品の一つです。
今ではなんと言っても肉が主役で魚は端役か代役で登場するに過ぎません。魚離れの傾向は、
特に子供に著しく小学生になっても魚を食べる時に、骨を上手に取り除けない子供が増えているのです。
このことからもいかに家庭で魚が食べられていないかがわかります。
魚離れというか日本食離れなのかもしれません。ご飯よりもパン、味噌汁よりもスープ、煎餅よりも
クッキー、饅頭よりもケーキのように嗜好品は欧米化しております。一方、米国は日本食ブームで
理想的な食事中のタンパク質、炭水化物、脂肪の配分が日本人の平均的な食事に近似していることが
ブームの一因らしいのです。ここ最近では肉より魚をと言う動きが少しずつ活発になってきています。
秋刀魚やイワシの人気が急上昇してきたのです。これら青魚に含まれるエイコサペンタエン酸に
心筋梗塞や狭心症を防ぐ作用のあることが発見されたからです。このエイコサペンタエン酸発見の
きっかけは、グリーンランドのイヌイットの食生活でした。アザラシなどの肉や魚を多食し、野菜は
ほぼとらない食生活をしているので常識的には狭心症・心筋梗塞などの発生率が高いと予想されました。
実は、イヌイットの皆さんは秋刀魚やイワシを常食しており、血液の凝固を抑制するエイコサペンタエン
酸が多く含まれているのです。そのため心血管疾患になりにくかったのです。
四方を海に囲まれている日本こそ、もっと海の幸を食卓に乗せるべきなのかなと考えさせられます。