認知?なんじゃそれ?
あの人「認知」なんですけど~と介護士さんや看護師さんから言われることがよくあります。
私は認知症のことを「認知」というのはあまり好きではないというか大嫌いです!!!なんか略して
格好良さをアピールしているつもりなのでしょうか?私はイラっとします。だったら、認知症と
呼びましょう!と言いたいです。マクドナルドをマックと読んだりスターバックスをスタバと呼ぶ
のとはわけが違います。そんな認知症の方の受診がまた、困難を極めるのです。本人はうすうす
気づいているはずです。記憶力が悪くなったな~とか、おきわすれしてしまうな~とか絶対に気づいて
いるはずです。でもプライドとか立場とか、世間体を気にしてとかもはや意地になっているだけかも
しれません。世間的には「認知症と診断されたら家族の顔もわからんようになって、人生終わり」と
誤解されているようです。でも、実際は違います。老人性の認知症であれば多くの場合は、脳萎縮や
認知機能の低下は発症する10~20年前から進行し、発症後には10年ほどかけてゆっくりと進行する
のが一般的です。急に突然訳が分からなくなると思っている人も多いのが実際のところです。
認知症になるとすぐ徘徊したり、暴れたり、妄想が出現するわけではないのです。これらの問題行動
(行動心理症状といいます)には必ず原因があるのです。私は必ず家族や環境に原因があると思います。
売り言葉に買い言葉で関係性が悪くなることが多く、良好な関係性が築けないことに原因の大部分が
あると思います。家族であれば以前の状態と比較して熱くなりやすいのです。でもそれは本人にとって
以前の状態に戻ることは到底無理なのです。記憶障害をゼロにしようとか、言い訳をさせないという
話題はただの家族のエゴでしかありません。記憶障害があっても判断力や思考力などの知的能力は
以前のように保たれて普通に暮らせる状態が5年ぐらいは続きます(個人差あり)。その次に
見当識障害(時間や場所の感覚がなくなる)や理解力の障害が出現してきます。残念ながら新薬も
ありますが、根本的に直すことは困難なのが現状のようです。やはり早期発見し治療することで進行
を抑制することが精一杯なのです。