2024.05.02

運動不足でがん!?

国立がん研究センターの報告によると、50〜74歳の約3万3千人の

日本人男女を対象とした研究で、仕事中に座っている時間が長い人ほど、

男性では膵臓がんのリスク、女性では肺がんのリスクが上昇しました。

また、仕事中の座っている時間が長いほど、がん全体の罹患リスクが高くなる

傾向が見られました(有意差があるわけではない)。

女性に関しては、職場での受動喫煙の影響も否定できないとのことでした。

運動不足は悪いのは理解できますが、がんとの関連?しっくりこないなぁと

思いませんか?実は、インスリンの抵抗性や慢性炎症が亢進するために、

がんのリスクが上昇してしまうのです。太ももなどの大きな筋肉を動かすと

分泌されるマイオカインは大腸がんの予防効果があるとの報告もあるほどです。

自転車通勤中の〇〇さん、朗報ですね!努力は報われます。

胃がんの主な原因であるピロリ菌感染については、感染率は若年ほど低下傾向にあります。

日本では、ピロリ菌に感染している人の胃がんのリスクは、感染していない人の15倍以上で、

海外では20倍以上と報告されています。

今まで一度も検査を受けていない方は、胃がんを予防できるチャンスなので早めの検査を

お勧めします。ピロリ菌に感染していると、年間約2〜3%の確率で胃潰瘍や十二指腸潰瘍になり

年間約0.4%の確率で胃がんが発生します。

このピロリ菌を除菌することで胃がんの発生リスクを3〜4割減らすことができます。でも、

残念のことにゼロにはできません。予防効果は10年以上持続するのですが、除菌後も安心せずに

極力胃カメラ検査を受け続けていただくことを推奨します。