風邪なのか、否か
膀胱炎は、女性にはありふれた病気です。きっと女性ならば一度はお困りになった
のではないでしょうか?その中には、膀胱炎から腎盂腎炎(じんうじんえん)を合併して高熱を出して、
入院の必要性または、外来で毎日点滴が必要になった方もおられるのではないでしょうか?
この腎盂腎炎は、膀胱炎と比べてあまり知られていないので、発熱だけを見て、風邪や肺炎
と間違えられて治療され、全身状態が悪化する事もあります。悲惨ですね。
腎盂腎炎、聞き慣れないですよね?腎盂というのは腎臓の尿を溜めておくところで、その周囲の組織に
細菌感染を起こしてしまう病気です。つまり、最近が膀胱から尿管を経て腎臓に到達し、そこで
炎症が拡がったものです。つまり、最初は膀胱炎になり、数日してから腎盂腎炎になるのです。
中には膀胱炎を伴わない場合もあります。診断が医者泣かせなところもありますが、典型的な症状は
発熱、腰痛と腹痛、全身倦怠感があります。全て当てはまるというわけでもありません。
ほとんどの患者さんが39℃以上の高熱になり、中には40℃以上の体温となる事もあります。
基本的には入院加療となりますが、2、3日は熱が上がったり下がったりを繰り返します。
タチが悪い腎盂腎炎は、尿管結石や尿道狭窄症、前立腺肥大症などの病気を伴っている場合です。
これらの病気がある場合はまずは、治療をしなくてはいけません。中途半端な治療をしていると
病気が悪化して、細菌が身体中に巡ってしまい敗血症という危険な状態に陥ります。
繰り返し腎盂腎炎を起こしてしまう人には、「膀胱尿管逆流症」(排尿のたびに尿が膀胱から腎臓に
逆流してしまう病気)が隠れているかもしれません。心配な方は、専門医療機関へご紹介いたします
お気軽にご相談ください。