2026.06.01

食中毒予防

今日から6月ですね。「気温が高くなってきたら食中毒に要注意」とよく言われますよね。ですが、月ごとの食中毒事件数の平均値を示した表を見ると、食中毒事件が多いのは6月で、7月、8月と真夏になると事件数は減少していくのです。なぜ、気温が高くなるのに食中毒は減っているのでしょうか?これは、人の心が関係していると言われています。梅雨が明ければいよいよ高温多湿な夏が訪れます。真夏になると「食品の保存に気をつけよう」という気持ちが人々の心に宿るのでしょう。「出来上がった料理を長く室温においておかない」「食べ物が痛む前に早く食べてしまおう」と言った意識が働くことで、条件的には食中毒が起こりやすい時季なのに、人の心によって食中毒が抑えられているのでしょう。患者数の多い食中毒は、原因によって「細菌型」「ウイルス型」「寄生虫型」の3つに分類されます。夏に事件数が増えるのは高温多湿の環境で増殖する細菌が原因となる「細菌型」です。皆さんは、冷蔵庫に入れればもう大丈夫と考えていませんか?食中毒を起こす細菌が繁殖しやすい発育至適温度はだいたい30〜45℃の間です。ほとんどの細菌は5〜45℃の間でも発育が可能で、5℃以下でも死滅するわけではありません。これからの夏、私はしょっちゅう冷蔵庫の扉を開け閉めします。そうすると庫内の温度が上昇し、細菌が増えてしまう可能性は充分にあります。中にはリステリア菌やエルシニア菌などのように発育温度の下限が0℃と低い冷蔵庫のような低温でも増える可能性のある細菌もいます。食中毒予防の3原則として「つけない」「増やさない」「やっつける」が挙げられます。そもそも食品に細菌がつかなければ良いのですが、保存、調理、保存時に注意するしかないのです。たいていの細菌は75℃以上で1分間以上加熱すれば殺菌できますが、加熱しない食材もあり、生の肉や魚と触れないような保存が必要になります。冷蔵室内での保存と管理に充分な注意が必要です。75℃以上に加熱すればほとんどの細菌が死滅しますが、ウェルシュ菌が原因のカレー食中毒は厄介で、100℃の加熱では死なず食品の温度が50℃くらいまで下がってくると芽胞が発芽してウェルシュ菌が増殖します。暑い時期にカレーを室内で放置すると、冷めない上に調理時の発熱で他の細菌が死滅しているのでウェルシュ菌の天国となり一気に増殖してしまいます。つまり、カレーはすぐに食べた方が良いか、チャンピオンカレーで済ますのがいいですね。