高齢者はyoung-old?
3日連続高齢者とは・・・となると流石に飽きてしまいますよね?でも、私は前職高齢医学科
ということもあり、この話題だけでも結構ブログが書けるなとも確信しました。この高齢医学
という学問、以前は老年病学とも言われていました。大学でそもそもその学問を講座として
持っているのは意外と少ないのです。結構、金沢医大にあるのは貴重なんですよ。実は。
でも地域にあまり活かされていませんでしたけれど・・・(私の在任期間中は)昨日は、
ドイツの話題で終わりましたが、さすが米国と思える高齢者の見方を今日ご紹介します。
米国は人が健やかに老いるかどうかは年齢ではなくてライフスタイルが決め手になるという
観点から、高齢者をyoung-oldとold-oldに分けるという考え方が提唱されています。
young-oldは、健康状態が良くて、仕事や趣味、ボランティア活動や政治的活動など社会生活
での活動度が高い高齢者、つまり「年齢的には高齢者だけれども生活様式は若い人」を意味します。
これに対してold-oldは、身体的、精神的な機能の低下が著しくて社会生活の活動度が低い人を
指します。つまり、わかりやすくいうと認知症や寝たきり状態のために、日常生活動作能力(ADL)
社会的な活動、知的な活動などが障害されている人、「年齢だけでなく身体機能や生活も老いている人」
のことを言います。この概念は、日本の准高齢者と高齢者の考え方に通じるものがあるように感じます。
実際にold-oldは75歳以上の高齢者に多く、young-oldは65〜74歳の人に多い傾向にあります。
ですが、近年75歳以上の高齢者の中にも大勢young-oldの方がおられます。
さらに、75歳以上の高齢者が増加している現在では「極めて心身の老化が著しいものの、なんとか
生きながらえている人たち」をoldest-oldとして、old-oldと分けて考えるようにもなっているのです。
一般的にはoldest-oldの方々は85歳以上の方に多いです。