鼻をほじって認知症!?
今日の話題は恐ろしいです。昨日の室生犀星の話題からは想像もできません。笑
子供の頃、鼻をほじっていると、親に病期になるからやめなさいとよく注意されました。つまり、
よく鼻をほじっていた可能性があります…今となっては鼻を擦る、目を擦るなども恐ろしくて
出来ません。最近、「鼻から入った細菌が原因でアルツハイマー型認知症になる」という研究が
発表されております。アルツハイマー型認知症に感染症が関与していることは以前から指摘されて
いました。オーストラリアのグリフィス大学のチームはアルツハイマー型認知症の患者の脳に
肺炎クラミジアが見られるという報告を元に実験すると、鼻腔の肺炎クラミジアは、マウスの
嗅神経を伝って脳に侵入し、クラミジアに感染したマウスの脳細胞は、感染症に反応してアミロイド
βという成分を放出して脳組織に沈着させ始めたのです。このアミロイドβはアルツハイマー型認知症
発症に深く関与していると言われています。この現象は、鼻の内部組織が傷ついている場合はより
はっきりと見られるので、アルツハイマーの原因となる細菌は、傷ついた鼻粘膜から脳に達して、
アルツハイマーの原因を作ったと考えられるのです。
新型コロナウイルス感染症後の、うつ病、頭痛、頭がぼんやりする状態(Brain Fog)と呼ばれる
後遺症は多くの人が悩んでいますが、鼻からの経路で脳内にウイルスが入った結果であると考えて
いる研究者もいます。あくまで動物実験なのですが、鼻粘膜は細菌やウイルスにとっては脳に入る
格好の近道となりえます。鼻をほじったり、鼻毛を抜いたりして鼻腔上皮が傷つくと、病原体の
脳への侵入を促進させる可能性はあるかもしれません。
Chacko A et al. Sci Reo. 2022;12(1):2759
Marshall M Nature.2021;595(7868):484-485