29の日だけにローストビーフ!
年末年始は家庭でローストビーフを作りました!という方もおられるかもしれません。
最近は家庭用の低温調理器もお手頃な価格になって、家庭でもやわらかジューシーな
ローストビーフが作りやすくなってきました。
このローストビーフは牛のかたまり肉をじっくりと加熱して、内部を柔らかく仕上げる
ものですが、中心部は「生」ではなくて、しっかりと加熱殺菌される料理なのです。
ご家庭でローストビーフを調理する際は、生焼けにならないように注意が必要です。
食肉の生食(加熱不十分な場合も含みますが)は食中毒のリスクがあります。
10年以上前になりますが、焼肉のチェーン店でユッケを食べたことが原因で、食中毒
事件が発生し、客181人が発症し、うち子供を含む5人が亡くなりました。
この原因となったのが腸管出血性大腸菌です。普通の大腸菌は無害なのですが、
毒素を作って出血を伴う下痢などを起こすものを腸管出血性大腸菌と言います。
大腸菌は、細菌の表面にある抗原と呼ばれる構造の方の組み合わせで分類されて、
O157(オーイチゴーナナ)というのは、157番目に見出されて番号がついたという
ことです。腸管出血性大腸菌にはO111、O26などもあります。
美味しいローストビーフに戻りますが、牛もも肉300gを63度、70度、75度に湯温を
保ちながら中心部と湯温が同じ温度に達するまでの時間を測定したところ、いずれも
1時間40分(約100分)でした。食中毒防止のために厚生労働省が定めている食肉の
加熱条件を満たすためには63度でさらに30分、70度で3分、75度で1分間その温度を
維持する必要があります。つまり、肉の種類や厚さ、調理方法などいろいろありますが、
肉中心の温度が適切に加熱されていて加熱条件が満たされていることが大切です。
妻も一度レストランのローストビーフにやられたことがあり、それ以来私は恐ろしい料理
としてカウントされています。皆様もお気をつけくださいね〜