2025.02.01

EDと生活習慣病

今日は男性の話題です。なんかラジオ番組みたいだなぁと思いながら書き始めました。

「気のつかぬ病和尚の腎虚なり」と書かれているのは江戸川柳で、色欲を断っているはずの

和尚さんでも腎虚になることを揶揄したものです。腎虚(ジンキョ)とは現代語で勃起障害

つまりみなさんご存知のEDです。腎臓が精液を作るという古い漢方医学に由来しています。

ある調査では日本の中年男性の2人に1人がEDに悩んでいると報告されています。

これらの人の大部分は硬度が不満、性交可能であるものの途中で萎えてしまうなどの軽症で、

完全に勃起出来ない人は1割程度とのことです。

糖尿病、高血圧症、脂質異常症などのメタボの患者さんは30〜70%にEDが発症するとされます。

メタボが引き起こす動脈硬化が心臓や脳の血管だけでなく、陰茎の血管にも起きてしまうからです。

逆にEDがきっかけに、糖尿病などの生活習慣病が発見されることもあります。EDは生活習慣病の

前兆とも言えるのです。

以前は腎虚は房事過多が原因とされてきました。ですが、現代の医学では定期的に勃起をすることが

ED予防になると考えられています。勃起になくてはならない物質である一酸化窒素は、勃起によって

大量の血液が海綿体に流れ込んで高酸素状態になると盛んに合成されることがわかっています。

勃起なしの低酸素状態では合成が低下するからです。いわば「名刀も抜かねば錆びる」ということです。

当院中院中の方でEDについてご相談がある場合もありますが、やはり生活習慣病が見つかることが多い

印象です。もしくはすでに糖尿病の方が多い印象です。ご心配であればお気軽にご相談くださいね。