Let`s Wash!!
皆さんはウォッシュレットを使用する頻度はいかがでしょうか?少し歴史を紐解くと
温水洗浄便座を遊乳販売していた東洋陶器(今のTOTO)が国産化した温水洗浄便座は、
1980年代にウォッシュレットと言う商標で広く知られるようになりました。この名称は
本日の題名「Let`s Wash」に由来するそうです。2023年の報告によると温水洗浄便座の
世帯普及率は81.7%で1世帯あたり1.17台の保有率となっています。日本ではユニット
バスがではなくて個室のトイレにコンセントがあって設置しやすいことも普及率が高い
要因なのでしょう。温水洗浄便座の使用により韻部が清潔に保たれる事により尿中の細菌が
減少する可能性も報告されています。すでに症状がある尿路感染症や陰部感染症が減ることは
ありませんが・・・私が心配するのはご自宅でしよするのは良いとしても、公共のトイレの
場合は感染リスクが心配になります。洗浄のズルの表面からは便由来と考えられる大腸菌が
3~12%、腸球菌が4~20%の割合で洗浄液からも数%で同様の菌が検出されます。別にこの細菌が
肛門に吹き付けられても感染が成立するわけではありません。もし急性胃腸炎の原因となる微生物が
存在したとしても経口摂取しない限りは感染は成立しません。つまり、温水洗浄便座を使うかどうか
と言うよりも用を足した後にしっかりと手を洗うかと言うことの方が大切なのです。
それでも、温水洗浄をやり過ぎると、肛門周囲の皮脂が脱落して、皮膚が乾燥することで掻痒感が
生じることがあって、温水洗浄便座症候群と呼ばれます。長過ぎる洗浄時間も問題のようで、
TOTOさんは取扱説明書に洗浄時間を0~20秒と記載されています。
また、個人的に驚いたのですが、温水洗浄の利用者の30%が、排便前にも便意誘発のために利用
しているようなのです。脊髄損傷患者さんに対して75%の患者で30分以内に排便誘発をきたすことに
成功しました。肛門括約筋が緩んでいると直腸内に水が侵入しやすく、排便後にも便失禁を来しやすく
なります。排便後に下着が汚れると言うことがある方は温水洗浄便座の使用方法について考え直す必要が
あるかもしれませんね。リラックスしても、肛門括約筋は引き締めて使用してください!