2025.12.05

VILPAって知ってる?

身体活動量が多い人(活発に動く人)の方が、がんになるリスク、あるいはがんで

死亡するリスクが低いことは以前から知られていました。ですが、実際にはどれくらい

体を動かせば良いのか?という基準は明確なものはありませんでした。

ここ最近apple watchなどのウェアラブルデバイスを用いた研究が数多くなされており、

筋トレとまではいかないまでも、ちょこっと体を動かすことでがん予防につながることが

明らかになったのです。オーストラリアとイギリスの合同研究チームはUKバイオバンクと

いう観察研究で運動習慣がない2万5千人以上を対象として7日間ウェアラブルデバイスで

日々の体の動きを記録しました。この中で身体活動の中でも「短い時間(1〜2分間以内の

激しい体の動き」に注目して、これをヴィルパ(VILPA:Vigorous Intermittent Lifestyle

Physical Activity)と名付けられています。直訳すると激しく一時的な日常生活における

身体活動ということです。具体的には、バスに乗り遅れそうになって追いかけたり、

ペットとの早足の散歩、階段を駆け上がる動作、掃除などのちょっときつい家事などのことです。

このヴィルパの数とその後の7年間におけるがんなどによる死亡率の関係を調べると、

ヴィルパが1日1回もなかった人と、1回以上あった人では、がんによる死亡リスクが低下しており、

ヴィルパの数が増えれば増えるほどがんの死亡リスクが減っていました。1日3回ヴィルパがあるだけ

でがんの死亡率が約30%も減少したり、1回のヴィルパが4〜5分と長くても同じようにがんの

死亡リスクがおよそ30%低下していました。つまり定期的にジムに通わなくても、がんのリスクを

減らすことが可能なわけなのです。ヴィルパは特殊な運動ではなく、少し早足で歩いてみるとか、

エレベーター、エスカレーターを使わずに階段を使用してみるといった、ちょっとした心がけで

簡単に取り組むことができるのです。すごいことだと思うのです。このブログを書き終えたら、

コンビニまで早歩きで出掛けてこようかな・・・笑